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ジャニオタは国会図書館へ通う

先日、国立国会図書館へ行ってきました。

ジャニーズファンの人にはもちろん、「自分の愛するものが日本国内で発行された書籍に掲載されている」という人には強くお勧めしたい国立国会図書館

なんでそんなにオススメなのかを綴っていきたいと思います。

 

2020年9月追記----

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、入館に際しての手続きなど変わっているようです。事前にチェックを。

【重要】ご来館に当たってのお願い|国立国会図書館―National Diet Library

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ジャニオタが国会図書館で何をするんだ

A.  昔の雑誌を読みます。

 

まず断っておくと、私はジャニーズオタクではなく嵐ファンなのですが、何かのファンなりオタクなりであれば利点はほぼ同じなので敢えて幅広く、また象徴的なジャニオタという言葉を使います。ジャニーズ全般については無知なので、悪しからずご了承ください。

 

さてそんな嵐ファンの私ですが、本格的なファン活動(?)を始めたのは2012年後半です。最初のアラフェスの公演の様子をワイドショーで観て、どうにもたまらなくなったのでファンクラブに入りました。

このとき嵐はデビュー14年目に入った頃。メンバーは全員入所16年目を超えていました。つまり新参ファンの私は、Jr.時代を含めて15年間を見逃していたわけです。中学三年生の人生まるごと分くらい見逃しています。恐ろしいことです。

特に嵐はいわゆる「ジャニーズJr.黄金期」の世代で、Jr.としてのテレビ出演や雑誌掲載も、死ぬほどあったことでしょう。それらもすべて見逃しているのです。こんなことがあっていいのか?いやよくない。

しかし当時のバラエティ番組が映像化されるなんてことはまず無いし、ごくごく稀に「秘蔵映像!」の体で数分だけ流れるのが関の山です。それでも飢えた獣のように録画を鬼リピします。

供給が多いのはありがたいことですが、すべて追えてこその供給です。「もう観られない映像がめちゃくちゃある」という事実は新参ファンの心を深く抉りました。

でも、当時の「雑誌」なら読めたのです。そう、国立国会図書館で。

 

 早く行ったほうがいい

国立国会図書館の存在を知ったのは2018年でした。「昔の雑誌が読めるらしい」と聞き、それはぜひ行かなくてはと思っていたのですが、怠け者の悲しい性か「いつでも行けるし逃げるものでもないから、そのうち行こう」と一年以上放置していたのです。

でもこのブログを読んでくれた人には強くこう言いたい。一か月以内に絶対行ったほうがいい。

これは何も「来月から読めなくなるから」などという訳ではありません。行ったら必ず「なんでもっと早く来なかったんだ」と思うからです。「なんでもっと早くファンクラブ入ってなかったんだ」に近い気持ちです。

「いつでも行けるし逃げるものでもないなら、別にすぐじゃなくてもいいでしょ?」と昨年の私ならこう言ったと思います。違うんです。量がべらぼうに多いから、一回行ったくらいでは全体の一割も読み終わらないんです。

 そして一度行ったら最後、すべて読み終わるまで通うしかない、という気になります。始めるなら早いほうがいい――ジャニオタの活動はある種の研究活動なので、このセオリーが適用されるのです。

 

 国立国会図書館とは

www.ndl.go.jp

 

基本情報
  • 場所 本館は都内、千代田区。国会議事堂の近く。関西館もある。
  • 利用できる人 基本的に満18歳以上の人。
  • 利用方法 利用者登録が必要。登録時、「氏名、生年月日、現住所が確認できる本人確認書類」を提示しなくてはならない。
こんなことができる
  • 借りた書籍は、館内でのみ閲覧できる
  • 借りた書籍は、有料コピーを依頼できる
  • 書籍以外にも、ライブDVDや音楽CDも借りて鑑賞することができる

その他、細かい情報は公式Webサイトを確認してください。私が行ったのは永田町の本館なので、この記事では本館について記載します。 

国会図書館の書籍を閲覧できるのは、館内のみです。家に持って帰って読むことはできません。ですが、書籍を有料でコピーすることができます。つまり「ジャニオタ研究活動としてこのページは必要である」というページをコピーして持ち帰ることが出来るのです。

ただし「著作権に反さない範囲」という基準があるらしいです。これは下記リンク先を参照してください。

来館複写サービス(東京本館)|国立国会図書館―National Diet Library

 

行ってきた (使い方編)

 そんなわけで行ってきました国立国会図書館 東京本館。一緒に行った嵐ファンの友人は「ディズニーランドより楽しめた」と言っていました。ほんとに、ジャニオタにとっての一大アミューズメントパークです。しかも無料で利用できてすごく静か。何度も言いますが、行きたいと思ってくれた人は一か月以内に行ってほしい。それによって私が行ったとき読みたい雑誌が貸し出し中でも構いません。むしろ貸し出し中だったら「館内に同志が…」と嬉しくなるので、それも込みで楽しみたい。

  

行く前に まずは検索から

インターネット限定登録利用者になる

さて、現地に到着してからのことを書く前に、あらかじめやっておくとオススメな準備をご紹介します。事前検索です。

さんざん「雑誌が読める!!」と言っていますが、自分が読みたい雑誌が本当に読めるのか?というのは事前に把握しておきたいですよね。いざ行ってみたら一冊もありませんでした、なんてことは(ないと思いますが)避けたいです。そこで使うのがこちら。

国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online

NDLというオンラインシステム。私は現地へ行ってからこのシステムを使い読みたい雑誌を検索をしたのですが、館内での時間をより有効に使いたい場合は、事前に検索しておくのをオススメします。

ちなみにこのオンラインシステムを自分のスマホやPCから利用する分には、利用者登録をしなくても使えます。でも、私は登録をオススメします。

登録するとマイリストが利用できるのです。検索作業は家で済ませ、借りたい本をマイリスト登録しておき、館内でマイリストから貸出申請する…という使い方をすれば、現地でスムーズに貸出してもらえるのです。「インターネット限定登録利用者」というやつなので、Webサイト上から登録してみてください。

なお、インターネット限定登録利用者登録をした場合は、国会図書館を訪れた際にその登録情報が必要になります。現地へ行くときは、IDとパスワードを控えて行きましょう。せっかく登録したマイリストも、IDが分からなければ参照できません。

登録利用者制度のご案内|国立国会図書館―National Diet Library

詳しくはこのページを参照。

 

スマホやPCから検索してみよう

ではさっそく検索してみましょう。 

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検索画面

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検索結果

アイドル雑誌と言えばこれ、Myojo先生を発見しました。

例えば検索結果の一番上に出ている「Myojo」をクリックすると、所蔵されているすべての巻が表示されます。膨大なので、取り合えず1998年に発行されたものに絞り込んでみました。

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巻別画面

あれ…5冊しかないの?と思いましたが、そうではありませんでした。この検索結果の場合は、1~4月号で1冊、5~8月号で1冊、9~12月号で1冊、とそれぞれまとめられた単位で表示されています。(のこりの2冊は付録)実際に借りると、このまとめられた単位でハードカバーに綴じられたものを渡されます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

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 という訳でMyojoは確実に読めますね。この調子で、wink up、POTATO、ポポロ、QLAP!、POPEYE、Mannish、Kindai、TVKids、ジャニーズJr.名鑑……と検索をかけていきましょう。全部あるんだなこれが。

しかし残念なお知らせがあります。アイドル雑誌の雄Duetだけは「国際子ども図書館」に所蔵されているため、東京本館へ行っても読めないようです…。ちなみに国際子ども図書館は上野にありました。Duetだけは別日に攻略するしかないですね。

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売り切れるとプレミアが付く雑誌も、国会図書館なら無料で読めます

また「ジャニーズ研究所」などが出している非公式の書籍も所蔵されています。事務所・所属タレントの不利益になってしまうので、ああいった書籍にはお金を出さないのが鉄則ですが、国会図書館内で読む分には誰の利益も侵害していないので問題ありません。国内で発行された全ての出版物は、国会図書館へ納入することが出版者に義務付けられるから*1です。読んでも自担の不利益にはなりません。

 

ちなみに正式名称のはずなのに検索結果に出てこないときは、カタカナやローマ字、部分的に入力して検索してみたりすると出てきます。

 読みたいものをマイリストへ登録し、事前の準備は完了です。

 

現地に到着したら 貸出してもらう

 事前に準備したマイリストから、借りたい書籍の貸出申請を行います。貸出申請の方法が分からない場合は、現地の職員さんに尋ねるか、利用者案内を参照してください。検索用PCの周りには職員の方がたくさんいて、利用者を助けてくれていました。

読みたいものを借りる

貸出冊数には上限があります。雑誌の場合は10冊まで。ここでいう10冊は、さきほどの「ハードカバーに綴じられた単位」を1冊と考えたときの10冊です。上に書いたMyojoの例で言えば、1冊借りると4か月分のMyojoを読むことができるというわけです。

つまりどういうことかというと、調子に乗って上限いっぱいの10冊を貸出申請すると、とんでもない厚みのハードカバーが10冊、ワゴンに乗ってやってくることになります。

一度に読める量は限られているので、現実的な冊数に収めましょう。

 

 デジタル版で読めるものもある

現在は廃刊になっている雑誌「Kindai」は、検索すると分かりますが、館内限定でデジタル版で読むことができます。これは非常に便利でした。ハードカバーに綴じられたものをわざわざ借りなくても、PC画面上でパラパラページを捲っていき、インタビューを拡大して読んだりできます。印刷したいと思ったページは画面上でプリントボタンを押し、処理を進めていけばOK。印刷については後でまとめて書きますね。

ただ、せっかくデジタル化されているのに誰かが読んでいる号は読めないシステムでした。まあこれも同志の存在を感じるので悪くありません。

ちなみに、上で挙げた雑誌群の中でデジタル化されていたのはKindaiだけでした。

 

印刷してもらう 

研究としてのジャニオタ活動に必要な資料は、「複写サービス」を使うと印刷してもらうことができます。有料ですが非常に良心的な価格ですし、電子マネー支払いにも対応しているのでとても使いやすかったです。

 デジタル版の複写サービス

デジタル化されている書籍を印刷する手順はものすごく簡単です。PCで閲覧しながら、印刷したいと思ったページを指定して、印刷処理を進めればOK。その場でプリントアウトされてくるわけではなく、後でプリントカウンターに行って、印刷を実行してもらいます。

何十巻も読んで、各巻に数ページずつ印刷したいページがあった、という場合でも、印刷処理は巻ごとにしか進められないようです。なので印刷したいページを見つけたら、その場ですぐに印刷処理を進めましょう。印刷したいページの印刷処理がすべて終わったら、最後にプリントカウンターへ行けばよいです。

なお、プリントカウンターで一度に印刷してくれる上限枚数は100枚と決まっているようです。詳しくはこちら。

来館複写サービス(東京本館)|国立国会図書館―National Diet Library

 紙媒体書籍の印刷サービス

デジタル化されていない紙媒体の書籍を印刷する場合は、もう少し複雑です。

  1. NDLから「複写申込書作成」で、申込書を作成する
  2. 複写申込書に、プリントしたいページの情報を書く
  3. プリントしたいページに、しおりを挟む
  4. プリントカウンターで申し込む

これが大方の手順のようです。”ようです”というのは、実は私がまだこれをやったことがないのです。時間がなくて4番までたどり着けませんでした…。

デジタル化された書籍のプリントと異なり、ページの指定やしおりの挟みこみ、カウンターへの持ち込みなど、ちょっと手順が多いのが紙媒体書籍のプリントです。

「複写申込書」は貸し出された書籍一冊につき一枚。NDLに印刷メニューがあり、ここから借りている書籍の複写申込書を印刷できる仕組みです。

申込書には巻号やページの指定を記載します。なので、書籍を借りたら読み始める前にこの複写申込書を出力し、コピーしたいなと思ったらその時に書き込み、同時にしおりも挟んでおくと手戻りが無くていいですね。

4番以降の手順は、現地の職員さんに確認してみてください。

 

行ってきた (感想編)

ジャニオタならディズニーランドより楽しめる国立国会図書館。改めて何ができるところなのかおさらいすると、

  • 過去の雑誌が読み放題
  • 有料印刷サービスもある
  • 図書館利用はどこまでも無料

です。

こんなブログを書いておいてなんですが、私はまだ一度しか行ったことがありません国会図書館。滞在時間は約五時間。冒頭にも書きましたが、読みたいものが多すぎて全然読み終わりませんでした。ここでは、初訪問時の五時間で読んだ雑誌とその感想についてお伝えします。

 

タイムスリップして当時を実感

古いものほど知らない情報が多いので、自担の松本潤さんのJr.時代の記事をメインに探しました。手始めにデジタル版で読めるKindaiの97年〜99年を読み始めます。

時節なのかジャニーズJr.の特集記事が毎号掲載されていたKindai。松本さんの入所は96年(当時中学一年生)なので順に探していくと、あっさり発見しました。おぼこい。小学三年生くらいに見える愛らしさです。

自分の知らなかった過去の情報というのは、どこか非現実的なものに見えがちですが、当時の誌面をそのまま読むとぐっと現実味が増します。リアルタイムでこの雑誌を読んでいた人は、「今月号に載ってるこのJr.の子、可愛い!」みたいな新鮮な感想を持ったりしたんだろうなあ…とタイムスリップしたような気分です。

時系列に読み進めていくと、どんどん芸能人になっていく様子を追うことができます。初登場と思しき記事ではまだ素人臭さが拭えない笑顔(※それが最高に可愛い)でしたが、それも束の間、急速に上達するアイドルスマイル。なんて学びが早いんだ。国会図書館で雑誌を読むのは、ジャニーズの醍醐味である「一緒に成長を喜べる」の簡易版なのかもしれません。

アイドルとしての成長も目覚ましいですが、中学一年生から二年生、三年生にかけての男子の発育はものすごい。田舎のおばあちゃんのように「去年はこんなに小ちゃかったのに、おおきくなったねェ〜〜」となってしまいます。最初は小三みたいだったのに、翌年には「香水はグッチのエンヴィ」とか言っているのもグッときます。今では絶対に読めない、雑誌の編集も緩い中での幼さと生意気さダダ漏れのコメントは必読です。

小学三年生から中学生へと一気に変貌し、ドラマに出演したりユニットを組んだりとものすごい勢いで人気を獲得していく様子も、当時の雑誌で追うと改めてよくわかりました。

 

続けてMyojoを読み始めます。こちらは量がものすごい。単独での特集も頻繁に組まれていて、見たことのない写真がザクザク出てきます。

必見なのが読者投票。「恋人にしたいのは?」「女装が似合うのは?」「お坊ちゃんぽいのは?」などいかにもな質問が並ぶのですが、その顔ぶれから、自担が当時どんなポジションに居たのかが推して知れます。松本さんは「女装が似合う」でV2を達成していました。

五時間の滞在でKindaiの97〜99年は読破しましたが、Myojoは98年の一部と99年の一部を読んだだけです。こちらはまだまだ新しい発見が眠っているはずなので、次回が楽しみです。

 

メンバーとのエピソード

後期にファンになった人間としては、一番知りたいのがメンバーとの絡みエピソード。私は特に松本さんと櫻井さんの絡みが好きなので、インターネット情報「Jr.時代すごく仲が良かった」を裏付けるエピソードを探しました。一緒に遊んだ、最近よくつるんでいる、という発言が出てくる時期が特定できたのはかなり大きな収穫でした。研究者たるもの時代考証はしっかりとさせておきたいものです。

そして相葉さん・二宮さんの"総武線コンビ "の特集の多さにも驚きました。噂には聞いていたけどこれほどまでとは。

いつの時代も仲良しエピソードの需要は変わらないのか、「最近の仲良しJr.」についてのインタビューは頻発します。ぜひノートを持って行き、エピソードを時系列に並べてみてください。

 

一か月以内に行ってほしい

結局、五時間で読破できたのはデビュー前のKindaiと一部のMyojoだけでした。もう明日にでも再訪したいくらいなのですが、あいにく仕事です。日曜日は休館のため、近くに住んでいても、平日に仕事をしている人は土曜日を利用するしかなさそうですね。つまりそんなに頻繁には行けないということです。だから、思い立ったらすぐに行ってほしい。行って損はしません、絶対に。

特に夏休み中の大学生の方には、平日が自由に使えるこの期間にぜひ行ってみてほしいです。

 

15年分をまるごと見逃している私ですが、97〜99年の一部雑誌を読んだだけでこんなにも満足することができました。まだまだ先は長いですが、それだけ楽しみが残っているということでもありますし、読み終わる頃には最初に読んだものの記憶も薄れていそうなのでエンドレスに楽しめる予感さえします。

また近いうちにノートとペンを持って訪問しようと思います。同志の皆さん、検索結果の「貸出し中」でお会いしましょう。

 

*1:納本制度国立国会図書館法に定められている。出版者へは対価が支払われるそうですが、小売価格の五割+送料(一冊分)です。多少のお金は入ってしまうようですが、利益にはなっていないはず