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定期的に更新しないブログ

ジャニオタはVRゴーグルを買う

 

先日、VRヘッドセットを購入しました。

語呂がよかったのでタイトルが「VRゴーグルを買う」ですが、正しくは「VRヘッドセットを買う」です。頭に付けてVRを見るアレをなんとなく思い浮かべていただければ大丈夫です。

 

VRヘッドセットって何?

細かい説明はともかく、家の中でクソデカスーパー大画面の推しを鑑賞できるものです。

 

私が購入したのは「Oculus Quest 2(オキュラス クエスト2)」というVRヘッドセット。これから書くのは、すべてこれを使った感想です。いちいちVRヘッドセットと書くのも堅苦しいので「Oculusさん」と呼びます。

なお、他の製品と比較検討したわけではないので「Oculus Quest 2にしかできない」ということを語るものではありません。悪しからずご了承ください。

 

まだ2月ですが、2021年買ってよかったものナンバーワンになること間違いなしのOculusさん。ジャニオタに限らず、「推しが映像作品になっている人」にはすべからくオススメしたいOculusさん。行く先々で、Oculusさんがいかに生活を豊かにしたかの話しかできなくなるOculusさん。周りに持っている人が全然いないOculusさん。

Oculusさんの魅力を伝えた過ぎて、絵が得意なわけでもないのに図解してしまいました。

f:id:kusabuemmy:20210210173131p:image

大体のことはここに描いてしまいましたが、文章でもう少し詳しく綴ります。

 

何ができるものなの?

目の上に装着して映像を観たり、ゲームをしたりできるものです。検索すると色々書いてありますが、この記事ではこんなポイントに絞ってご紹介。

  • 家の中で、とにかく超絶でかい画面で推しを観る
  • 家の中で、遠くにいる友達と繋がりながら鑑賞会をする
  • 家の中で、旅行した気になれる

でかい画面で推しを観られる

Oculusさんでどんな映像を観られるのか?というと、割となんでも観られます。  

Oculusさんをオススメしてくれた人の受け売りですが、「VRヘッドセットは、目に装着するスマホみたいなもの」です。

スマホは、インストールしたYoutubeアプリで動画を観たり、Netflixアプリでドラマを観たりできますよね。それと同じです。OculusさんにYoutubeNetflixのアプリをインストールすれば、動画やネトフリ配信作品を観ることができます。ゲームアプリをインストールすれば、ゲームをすることができます。

iOSならSafariAndroidならChromeなどネットをするブラウザが入っていますが、Oculusさんにもブラウザが入っています。このブラウザからファンクラブ公式サイトにアクセスし、アーティストメッセージ動画を観ることもできます。

PCからスマホへ動画ファイルを転送すれば、スマホでそれを観ることができるのと同じく、PCからOculusさんへ動画を……以下略。

今、スマホタブレットで観ることが出来ているものの大半は、Oculusさんでも観ることが可能です。

じゃあスマホでいいんじゃないか? いえ違うんです。VRヘッドセットであるOculusさんの最大の特徴は、「どんな風に観えるのか」です。

 

こんな風に観えます

 OculusさんはVR空間を見せてくれます。装着した状態で首を上に向ければVR空間の天井が見えますし、真下を向けば床が見えます。バーチャルリアリティ空間に自分がいるように錯覚できるんです。すごーい。

ですが、それはひとまず横に置いておきます。私はとにかくでかい画面で推しが観られればそれでいいのです。

 

Oculusさんを購入し真っ先に観たものは、YoutubeのARASHI公式チャンネルで公開されているコンサート映像「untitled」でした。こちらはもちろんVR専用映像ではなく、スマホやPCで普通に観ることのできる映像です。

youtu.be

 

OculusさんでYoutubeアプリをインストールし、「untitled」を再生。歓声と嵐コール、そして出てくる「untitled」の文字——

でかい

真っ暗な空間に、超巨大なスクリーンだけが浮かんでいます。視界いっぱいに広がるスクリーンは、目に入り切りません。首を左右に振ってようやく端を観ることができます。Oculusさんのスピーカーからはガンガン音が聞こえてくる。イントロが終わり、メンバーの姿が映ります。何度も観たコンサートなのですが、初めて観たかのようにハッとしました。ここで出てくることは知っているのに「あ、嵐……!これが嵐か……!」みたいな感覚。意図せず声が漏れてしまうほど。なぜそんなことになるのか?没入感がすごいんです。

ジャマなものが何もない真っ暗な空間で、耳元のスピーカーの音だけを聴き、推しの映像だけをクソデカスーパー大画面で観ている。こんな体験はこれまでしたことがありません。プロジェクターの比ではない。ライブビューイングでもここまで大きなスクリーンではなかったし、ほかに人も居た。これまでの人生で訪れたどの映画館よりも大きなスクリーン。それが、自宅のこたつに座っている私の目の前にあるんです。バーチャルリアリティすごい。今まで「推しは既にリアリティだからVRに用はねえ」と思っていたのは大きな間違いだった。そういうことじゃなかった。

映像化された推しを鑑賞する手段として、これが最強にして最高なのだと、開始2分で確信しました。

 

観られないものもある…

「よーし持ってるコンサートとかドラマとか、円盤全制覇するぞ~~~!」………と言いたいところですが、実はそうもいきません。Blu-rayなど円盤化されている映像は、Oculusさんでは観ることができないのです。

 これも「目につけるスマホ」だからできないと考えればなんとなく納得できます。スマホではBlu-rayの映像、観られないですよね。それとだいたい同じです。

観られない理由は以下の通り。読まなくても大丈夫です。

前半に「Oculusさんに動画ファイルを転送すれば、それを観ることが出来る」と書きました。でもBlu-rayディスクの映像を、mp4など動画ファイル化することは出来ません(やっちゃダメ。違法です)。なので、その方法は取れません。

「じゃあ、Blu-rayを再生しているPCと、Oculusさんを直接繋いで観ることはできないか?」と考えましたが、これも無理。Blu-rayやDVDは、著作権保護の観点やらなにやらで、意図的に観ることができない仕組みになっているそうです。

というわけで、円盤の映像を観ることはできません。残念。

 

じゃあ何も観られないじゃん~!と思われるかもしれませんが、ネトフリなどの配信サービスで映画やTV番組を観られますし、推しのYoutube投稿が盛んならそれも堪能できます。

何より配信されるコンサート、ライブがあります。「今この瞬間、同じ空の下でこの動きをしているであろう自担」を超絶大画面で観ることができるのです。

円盤の映像は観られないけど、スマホで観られるたいていのものは観ることができる。しかも、メチャクチャでかい画面で。これがOculusさんです。

Oculusさんに限らずVRヘッドセットの購入を検討する際は、「何が観られて何が観られないのか」を事前によく確認してみてください。

 

何がどう”VR”なの?

ここまで、スマホでも観られる映像作品をOculusさんで観る話をしてきました。それってあんまり"VR(バーチャルリアリティ)" 感がありません。というわけでVRっぽい使い方もご紹介します。

 

友達と鑑賞会が出来る「Bigscreen」

コンサート映像や推し関係の映像は、同志たる友人たちと観ると何倍も楽しいですよね。大画面のあるカラオケルームで鑑賞会を開き騒ぐのは、「推しが映像作品になっている人」にとってはたまらない娯楽だと思います。しかし2021年2月現在、カラオケで鑑賞会を開催できるのは当分先になりそうです。でもね、自宅でなら今すぐできるんですよ。そう、Oculusさんを使えばね。

 

使うアプリはこちら。「Bigscreen Beta」。

Oculus Questの「Bigscreen Beta」 | Oculus

こちらを使うと、友達と通話しながら同じ映像を観ることができます。言い換えると、友達がすぐ隣に座っているような感覚で、鑑賞会ができますVRっぽいですね。

Bigscreenは「何かを観る」ためのアプリ。観るためのアプリなので、観ることを楽しめるよう色んなVR空間も用意されています。豪邸のリビングや大きな映画館、夜空が見えるバルコニー、雄大な渓谷など、現実には鑑賞会なんてきないような空間も。そういう場所にワープして、大スクリーンで映像を観ていると想像してみてください。

そしてBigscreenは、友達と一緒にその空間にワープできます。実際には自宅のこたつに一人で座っていたとしても、見える景色と耳元から聞こえる音のおかげで、ワープ先でみんなと鑑賞会ができるのです。もちろん一人鑑賞会もできますよ。

ちなみにBigscreenではアバターを作れるのですが、このアバターがどう頑張っても可愛くならないのが面白いです。VR空間に居る友達もこのアバターの姿になるので、ふと隣を見るとコレがいるのか…と思うと笑ってしまいます。

 

じゃあ早速Bigscreenで鑑賞会するか!というわけで、Bigscreenで観られるものを確認しておきます。だいたいこんな感じ。

  • Oculusさんに転送した動画ファイル
  • Bigscreenが配信してくれる映画やTV番組(日本のアニメもある)
  • YouTubeやネット配信動画

さきほど書いたとおりBlu-rayなど円盤の映像はOculusさんでは観られませんので、OculusさんのアプリであるBigscreenでも観られません。

最初の二つはサクッと観られます。Oculusさんを持っている友達同士でBigscreenを起動して、お互い通信しながら観たいものを再生すればOK。

曲者はを付けた三つ目、Youtubeなどです。

 

BigscreenでYouTube鑑賞会をするために必要なもの

こちらはOculusさんを購入前の方にはあまり関係のない話なので、読み飛ばしてしまって大丈夫です。

ややこしいので一度おさらいしておきます。

OculusさんのYoutubeアプリを使えば、特別なことをしなくても普通にYoutube動画が観られます。ですが、友達と鑑賞会をする機能は付いていません*1。そこで「Oculusさんで鑑賞会をしたければBigscreenというアプリを使えばいい」という話を書きました。

じゃあそのBigscreenのアプリからYoutube動画を観られるのか?というと、それがちょっと曲者なのです。

※を付けた三つ目をBigscreenで観るには「Oculus Link」という機能を使わなければなりません。これを使うには必要なものが2つあります。

  • 割とハイスペックなPC
  • そのPCとOculusさんをつなぐUSBケーブル

この二つがなければ、Youtube動画やFCサイトの配信動画などの鑑賞会は難しいみたいです。(ケーブルは千円くらい)

細かいことはこちらのリンクで確認できます。

Oculus Link | Oculus

鑑賞会仲間の誰か一人が持っていればいいので、Youtube鑑賞会をしたい場合は、お友達同士で確認してみてください。

 

旅行した気分になれる360°動画

ここまでは「大画面で推しを観る」とか「友達と鑑賞会をする」とか、オタク寄りの話を書いてきました。これに加えて、さらに別の楽しみ方もあるのでちょっとご紹介します。

youtu.be

ぜひスマホYouTubeアプリで再生してみてください。スマホを上に向けたり左右に振ったりすると景色が変わり、Oculusさんで観たときどんな空間が見えるのかイメージできます。

この動画はNYの上空を撮影した360°映像。これをOculusさんで観ると、自分がNYの上空を飛んでいるように感じられます。右を向くと川、左を向くと街、下を見るとセントラルパーク。扇風機でも回して風を感じれば、臨場感がとんでもないことになります。

他にも、イタリアのチンクエ・テッレとか

360°, Cinque Terre, Italy. 4K aerial video - YouTube

 ヴィクトリアフォールとか

360° Video,Victoria Falls、Zambia-Zimbabwe. Part

旅行というポイントに絞っても、 街並み系から大自然系まで色々あり、世界中の色んなところにバーチャル旅行ができちゃいます。他にもジェットコースター体験やホラー映像などなどあるので、好みの動画を探してみてください。

 

使い心地

寝転がっても使える

Oculusさんは目の上に装着して使うVRヘッドセットです。装着方法は割とアナログ。付属のゴムバンドで頭に固定します。

これだけ高性能なのでそれなりの重さです。調べたところ503g、500mlのペットボトル一本分ですね。バンドをキツめに調節しておかないとずり落ちてきてしまいます。頭を締め付けると頭痛がしてしまうタイプの人(私)には、長時間の使用はちょっと辛いかもしれません。

そこで「寝転がって頭の上に乗っければ、バンドを締めなくてもいいかも」と思い、試してみました。これがけっこう快適です!完全にリラックスした状態で、巨大スクリーンを鑑賞できます。Oculusさんにはウレタンクッションが付いているので、顔に乗せても痛くありません。頭痛問題はこれで解決しました。ちなみに、付け心地を良くするアタッチメントもあるようです。

 ただ、正面を向いていないと使えないアプリもあると思うので、そのあたりはケースバイケースです。Youtubeは天井で観れました。

 

コンサートを全編観て 

Oculusさんでコンサートを観ることと、テレビ画面で観ることとの一番大きな違いは、やはり没入感です。

まず集中力が段違いです。ある種の目隠し状態なので、テレビ台のホコリとか、こたつの上のリモコンとか、さっき脱いだパーカーとか、そういうどうでもいいものは一切見えません。当然スマホも見ない。そして耳のすぐ横にあるスピーカーから音が出ているので、加湿器の送風音とか、エアコンのモーター音とか、そんなものも聞こえません。コンサートだけに集中できるんです。

そして何度も書いていますが圧倒的クソデカ大画面。みなさんがこれまでに見た推しさんのアップ、一番大きな画面で観たときのことを思い出してみてください。映画館でのライビュが最大という方も多いと思います。私はそうでした。ですが、この度新記録更新。Oculusさんが優勝です!

あんなサイズで自担のご尊顔を拝したのは初めてです。迫力がすごい。圧倒的に大好きなものを、圧倒的な大きさで目にしたとき、人はこんなに驚愕するんですね。この感動を例えるなら、カナダ旅行でロッキー山脈のふもとから聳え立つ雪山を仰いだときの、迫りくる絶景に圧倒されたあの気持ちです。荘厳……!雄大……!特に思い入れもなかったロッキー山脈ですらあの感動だったのです。思い入れだらけの自担・松本潤さんのどアップが急に出てきたときの衝撃たるや、全身が揺れて頭の上のOculusさんが転がり落ちるほどでした。

 「untitled」は休止発表前の2017年から18年にかけての嵐のツアーで、嵐ファンの私が休止後の2021年に観るには想いがあふれ出しすぎるコンサートです。あらゆるところで号泣しながら観ていました。Oculusさんを装着したままボロ泣きするとウレタンクッションがビショビショになりますが、撥水性が高いのか特に問題はなかったです。安心して泣いてください。

 これまでは、コンサート映像を観ていてもどこか冷静な自分が残っているタイプでした。独り言のボリュームも小さいし、感動したときも静かに泣きます。現場では全力のC&Rも、自宅だと無言。感情の昂りを抑えようと敢えて壁の時計を確認したりする人間でした。Oculusさんは、そんな私の無駄な理性の枷を外してくれた。ハタから見ると、でかいゴーグルを顔に乗せ無言でベッドに寝ている人が突然「…………あるからーーー!!!*2 」などと声を張り上げる珍妙な光景でしょう。でも、そんなことも気になりません。

コンサートの構成の緻密さやメンバーのパフォーマンスの練度の高さは、言うまでもなく、なにで観ようが変わらず最高です。違うのは観ている私のコンディション。研ぎ澄まされた集中力で鑑賞する大画面のコンサートは、これまで気付けなかった新たな感動に気付くことができます。こればっかりは、どんなに言葉を尽くしても説明しきれません。ありがとうOculusさん。Oculusさんのおかげで、何度も観たコンサートをまるで初めて観たような気持ちで観ることができました。

いくらなの?

税込み37,180円(64GB)でした。定価です。

いいお値段ですが、自宅に超巨大スクリーンの映画館を作ったと考えれば安いかな…というのが個人的な感想。購入を考えている方は、観られるものと観られないものをご確認の上、費用対効果(?)に納得できるかをよく検討してみてください。

64GBモデルと256GBモデルの二種類がありますが、動画配信やYoutubeを観るのがメインであれば、容量は少なくても問題ないでしょう。このあたりは「Oculus 容量」とかで検索すれば識者の意見が出てきます。

さいごに

私のQOLを著しく上げてくれたOculusさんの魅力を少しはお伝えできたでしょうか。

Oculusさんを買った理由は「なんとなく、嵐がVR対応映像をリリースする気がする*3んだけど、発表されてからだと品薄になりそう」という妄想に焦燥を掻き立てられてのことでした。しかしそんな妄想が事実になろうがなるまいが、Oculusさんを買ったことには大満足しています。在宅勤務中の昼休みにはフロリダの上空を空中散歩し、夜はベッドでコンサートや映画を観る。Bigscreenで鑑賞会をしたいので、仲間にOculusさんを布教すべくこのブログを書く。Oculusさんは私の生活にハリと潤いをもたらしてくれました。

推しが映像作品になっている皆さんにはぜひ、一度でいいからこの感動を味わってみてほしい。検索するとレンタルもやっているようなので、興味のある方は調べてみてください。

 

信じられないくらい大きな推しのどアップを観て衝撃を受けたら最後、もうOculusさんの無い生活には戻れません。

 


 

*1:2021年2月現在

*2:嵐「言葉より大切なもの」のC&R

*3:※本当になんとなく。2019年末のShooting公演でカメラをいっぱい飛ばしてたから、そうだったらいいなというだけ

ジャニオタは国会図書館へ通う

先日、国立国会図書館へ行ってきました。

ジャニーズファンの人にはもちろん、「自分の愛するものが日本国内で発行された書籍に掲載されている」という人には強くお勧めしたい国立国会図書館

なんでそんなにオススメなのかを綴っていきたいと思います。

 

2020年9月追記----

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、入館に際しての手続きなど変わっているようです。事前にチェックを。

【重要】ご来館に当たってのお願い|国立国会図書館―National Diet Library

------

 

ジャニオタが国会図書館で何をするんだ

A.  昔の雑誌を読みます。

 

まず断っておくと、私はジャニーズオタクではなく嵐ファンなのですが、何かのファンなりオタクなりであれば利点はほぼ同じなので敢えて幅広く、また象徴的なジャニオタという言葉を使います。ジャニーズ全般については無知なので、悪しからずご了承ください。

 

さてそんな嵐ファンの私ですが、本格的なファン活動(?)を始めたのは2012年後半です。最初のアラフェスの公演の様子をワイドショーで観て、どうにもたまらなくなったのでファンクラブに入りました。

このとき嵐はデビュー14年目に入った頃。メンバーは全員入所16年目を超えていました。つまり新参ファンの私は、Jr.時代を含めて15年間を見逃していたわけです。中学三年生の人生まるごと分くらい見逃しています。恐ろしいことです。

特に嵐はいわゆる「ジャニーズJr.黄金期」の世代で、Jr.としてのテレビ出演や雑誌掲載も、死ぬほどあったことでしょう。それらもすべて見逃しているのです。こんなことがあっていいのか?いやよくない。

しかし当時のバラエティ番組が映像化されるなんてことはまず無いし、ごくごく稀に「秘蔵映像!」の体で数分だけ流れるのが関の山です。それでも飢えた獣のように録画を鬼リピします。

供給が多いのはありがたいことですが、すべて追えてこその供給です。「もう観られない映像がめちゃくちゃある」という事実は新参ファンの心を深く抉りました。

でも、当時の「雑誌」なら読めたのです。そう、国立国会図書館で。

 

 早く行ったほうがいい

国立国会図書館の存在を知ったのは2018年でした。「昔の雑誌が読めるらしい」と聞き、それはぜひ行かなくてはと思っていたのですが、怠け者の悲しい性か「いつでも行けるし逃げるものでもないから、そのうち行こう」と一年以上放置していたのです。

でもこのブログを読んでくれた人には強くこう言いたい。一か月以内に絶対行ったほうがいい。

これは何も「来月から読めなくなるから」などという訳ではありません。行ったら必ず「なんでもっと早く来なかったんだ」と思うからです。「なんでもっと早くファンクラブ入ってなかったんだ」に近い気持ちです。

「いつでも行けるし逃げるものでもないなら、別にすぐじゃなくてもいいでしょ?」と昨年の私ならこう言ったと思います。違うんです。量がべらぼうに多いから、一回行ったくらいでは全体の一割も読み終わらないんです。

 そして一度行ったら最後、すべて読み終わるまで通うしかない、という気になります。始めるなら早いほうがいい――ジャニオタの活動はある種の研究活動なので、このセオリーが適用されるのです。

 

 国立国会図書館とは

www.ndl.go.jp

 

基本情報
  • 場所 本館は都内、千代田区。国会議事堂の近く。関西館もある。
  • 利用できる人 基本的に満18歳以上の人。
  • 利用方法 利用者登録が必要。登録時、「氏名、生年月日、現住所が確認できる本人確認書類」を提示しなくてはならない。
こんなことができる
  • 借りた書籍は、館内でのみ閲覧できる
  • 借りた書籍は、有料コピーを依頼できる
  • 書籍以外にも、ライブDVDや音楽CDも借りて鑑賞することができる

その他、細かい情報は公式Webサイトを確認してください。私が行ったのは永田町の本館なので、この記事では本館について記載します。 

国会図書館の書籍を閲覧できるのは、館内のみです。家に持って帰って読むことはできません。ですが、書籍を有料でコピーすることができます。つまり「ジャニオタ研究活動としてこのページは必要である」というページをコピーして持ち帰ることが出来るのです。

ただし「著作権に反さない範囲」という基準があるらしいです。これは下記リンク先を参照してください。

来館複写サービス(東京本館)|国立国会図書館―National Diet Library

 

行ってきた (使い方編)

 そんなわけで行ってきました国立国会図書館 東京本館。一緒に行った嵐ファンの友人は「ディズニーランドより楽しめた」と言っていました。ほんとに、ジャニオタにとっての一大アミューズメントパークです。しかも無料で利用できてすごく静か。何度も言いますが、行きたいと思ってくれた人は一か月以内に行ってほしい。それによって私が行ったとき読みたい雑誌が貸し出し中でも構いません。むしろ貸し出し中だったら「館内に同志が…」と嬉しくなるので、それも込みで楽しみたい。

  

行く前に まずは検索から

インターネット限定登録利用者になる

さて、現地に到着してからのことを書く前に、あらかじめやっておくとオススメな準備をご紹介します。事前検索です。

さんざん「雑誌が読める!!」と言っていますが、自分が読みたい雑誌が本当に読めるのか?というのは事前に把握しておきたいですよね。いざ行ってみたら一冊もありませんでした、なんてことは(ないと思いますが)避けたいです。そこで使うのがこちら。

国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online

NDLというオンラインシステム。私は現地へ行ってからこのシステムを使い読みたい雑誌を検索をしたのですが、館内での時間をより有効に使いたい場合は、事前に検索しておくのをオススメします。

ちなみにこのオンラインシステムを自分のスマホやPCから利用する分には、利用者登録をしなくても使えます。でも、私は登録をオススメします。

登録するとマイリストが利用できるのです。検索作業は家で済ませ、借りたい本をマイリスト登録しておき、館内でマイリストから貸出申請する…という使い方をすれば、現地でスムーズに貸出してもらえるのです。「インターネット限定登録利用者」というやつなので、Webサイト上から登録してみてください。

なお、インターネット限定登録利用者登録をした場合は、国会図書館を訪れた際にその登録情報が必要になります。現地へ行くときは、IDとパスワードを控えて行きましょう。せっかく登録したマイリストも、IDが分からなければ参照できません。

登録利用者制度のご案内|国立国会図書館―National Diet Library

詳しくはこのページを参照。

 

スマホやPCから検索してみよう

ではさっそく検索してみましょう。 

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検索画面

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検索結果

アイドル雑誌と言えばこれ、Myojo先生を発見しました。

例えば検索結果の一番上に出ている「Myojo」をクリックすると、所蔵されているすべての巻が表示されます。膨大なので、取り合えず1998年に発行されたものに絞り込んでみました。

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巻別画面

あれ…5冊しかないの?と思いましたが、そうではありませんでした。この検索結果の場合は、1~4月号で1冊、5~8月号で1冊、9~12月号で1冊、とそれぞれまとめられた単位で表示されています。(のこりの2冊は付録)実際に借りると、このまとめられた単位でハードカバーに綴じられたものを渡されます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Myojo 2020年11月号【電子書籍】[ 集英社 ]
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 という訳でMyojoは確実に読めますね。この調子で、wink up、POTATO、ポポロ、QLAP!、POPEYE、Mannish、Kindai、TVKids、ジャニーズJr.名鑑……と検索をかけていきましょう。全部あるんだなこれが。

しかし残念なお知らせがあります。アイドル雑誌の雄Duetだけは「国際子ども図書館」に所蔵されているため、東京本館へ行っても読めないようです…。ちなみに国際子ども図書館は上野にありました。Duetだけは別日に攻略するしかないですね。

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duet(デュエット) 2020年 10月号
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売り切れるとプレミアが付く雑誌も、国会図書館なら無料で読めます

また「ジャニーズ研究所」などが出している非公式の書籍も所蔵されています。事務所・所属タレントの不利益になってしまうので、ああいった書籍にはお金を出さないのが鉄則ですが、国会図書館内で読む分には誰の利益も侵害していないので問題ありません。国内で発行された全ての出版物は、国会図書館へ納入することが出版者に義務付けられるから*1です。読んでも自担の不利益にはなりません。

 

ちなみに正式名称のはずなのに検索結果に出てこないときは、カタカナやローマ字、部分的に入力して検索してみたりすると出てきます。

 読みたいものをマイリストへ登録し、事前の準備は完了です。

 

現地に到着したら 貸出してもらう

 事前に準備したマイリストから、借りたい書籍の貸出申請を行います。貸出申請の方法が分からない場合は、現地の職員さんに尋ねるか、利用者案内を参照してください。検索用PCの周りには職員の方がたくさんいて、利用者を助けてくれていました。

読みたいものを借りる

貸出冊数には上限があります。雑誌の場合は10冊まで。ここでいう10冊は、さきほどの「ハードカバーに綴じられた単位」を1冊と考えたときの10冊です。上に書いたMyojoの例で言えば、1冊借りると4か月分のMyojoを読むことができるというわけです。

つまりどういうことかというと、調子に乗って上限いっぱいの10冊を貸出申請すると、とんでもない厚みのハードカバーが10冊、ワゴンに乗ってやってくることになります。

一度に読める量は限られているので、現実的な冊数に収めましょう。

 

 デジタル版で読めるものもある

現在は廃刊になっている雑誌「Kindai」は、検索すると分かりますが、館内限定でデジタル版で読むことができます。これは非常に便利でした。ハードカバーに綴じられたものをわざわざ借りなくても、PC画面上でパラパラページを捲っていき、インタビューを拡大して読んだりできます。印刷したいと思ったページは画面上でプリントボタンを押し、処理を進めていけばOK。印刷については後でまとめて書きますね。

ただ、せっかくデジタル化されているのに誰かが読んでいる号は読めないシステムでした。まあこれも同志の存在を感じるので悪くありません。

ちなみに、上で挙げた雑誌群の中でデジタル化されていたのはKindaiだけでした。

 

印刷してもらう 

研究としてのジャニオタ活動に必要な資料は、「複写サービス」を使うと印刷してもらうことができます。有料ですが非常に良心的な価格ですし、電子マネー支払いにも対応しているのでとても使いやすかったです。

 デジタル版の複写サービス

デジタル化されている書籍を印刷する手順はものすごく簡単です。PCで閲覧しながら、印刷したいと思ったページを指定して、印刷処理を進めればOK。その場でプリントアウトされてくるわけではなく、後でプリントカウンターに行って、印刷を実行してもらいます。

何十巻も読んで、各巻に数ページずつ印刷したいページがあった、という場合でも、印刷処理は巻ごとにしか進められないようです。なので印刷したいページを見つけたら、その場ですぐに印刷処理を進めましょう。印刷したいページの印刷処理がすべて終わったら、最後にプリントカウンターへ行けばよいです。

なお、プリントカウンターで一度に印刷してくれる上限枚数は100枚と決まっているようです。詳しくはこちら。

来館複写サービス(東京本館)|国立国会図書館―National Diet Library

 紙媒体書籍の印刷サービス

デジタル化されていない紙媒体の書籍を印刷する場合は、もう少し複雑です。

  1. NDLから「複写申込書作成」で、申込書を作成する
  2. 複写申込書に、プリントしたいページの情報を書く
  3. プリントしたいページに、しおりを挟む
  4. プリントカウンターで申し込む

これが大方の手順のようです。”ようです”というのは、実は私がまだこれをやったことがないのです。時間がなくて4番までたどり着けませんでした…。

デジタル化された書籍のプリントと異なり、ページの指定やしおりの挟みこみ、カウンターへの持ち込みなど、ちょっと手順が多いのが紙媒体書籍のプリントです。

「複写申込書」は貸し出された書籍一冊につき一枚。NDLに印刷メニューがあり、ここから借りている書籍の複写申込書を印刷できる仕組みです。

申込書には巻号やページの指定を記載します。なので、書籍を借りたら読み始める前にこの複写申込書を出力し、コピーしたいなと思ったらその時に書き込み、同時にしおりも挟んでおくと手戻りが無くていいですね。

4番以降の手順は、現地の職員さんに確認してみてください。

 

行ってきた (感想編)

ジャニオタならディズニーランドより楽しめる国立国会図書館。改めて何ができるところなのかおさらいすると、

  • 過去の雑誌が読み放題
  • 有料印刷サービスもある
  • 図書館利用はどこまでも無料

です。

こんなブログを書いておいてなんですが、私はまだ一度しか行ったことがありません国会図書館。滞在時間は約五時間。冒頭にも書きましたが、読みたいものが多すぎて全然読み終わりませんでした。ここでは、初訪問時の五時間で読んだ雑誌とその感想についてお伝えします。

 

タイムスリップして当時を実感

古いものほど知らない情報が多いので、自担の松本潤さんのJr.時代の記事をメインに探しました。手始めにデジタル版で読めるKindaiの97年〜99年を読み始めます。

時節なのかジャニーズJr.の特集記事が毎号掲載されていたKindai。松本さんの入所は96年(当時中学一年生)なので順に探していくと、あっさり発見しました。おぼこい。小学三年生くらいに見える愛らしさです。

自分の知らなかった過去の情報というのは、どこか非現実的なものに見えがちですが、当時の誌面をそのまま読むとぐっと現実味が増します。リアルタイムでこの雑誌を読んでいた人は、「今月号に載ってるこのJr.の子、可愛い!」みたいな新鮮な感想を持ったりしたんだろうなあ…とタイムスリップしたような気分です。

時系列に読み進めていくと、どんどん芸能人になっていく様子を追うことができます。初登場と思しき記事ではまだ素人臭さが拭えない笑顔(※それが最高に可愛い)でしたが、それも束の間、急速に上達するアイドルスマイル。なんて学びが早いんだ。国会図書館で雑誌を読むのは、ジャニーズの醍醐味である「一緒に成長を喜べる」の簡易版なのかもしれません。

アイドルとしての成長も目覚ましいですが、中学一年生から二年生、三年生にかけての男子の発育はものすごい。田舎のおばあちゃんのように「去年はこんなに小ちゃかったのに、おおきくなったねェ〜〜」となってしまいます。最初は小三みたいだったのに、翌年には「香水はグッチのエンヴィ」とか言っているのもグッときます。今では絶対に読めない、雑誌の編集も緩い中での幼さと生意気さダダ漏れのコメントは必読です。

小学三年生から中学生へと一気に変貌し、ドラマに出演したりユニットを組んだりとものすごい勢いで人気を獲得していく様子も、当時の雑誌で追うと改めてよくわかりました。

 

続けてMyojoを読み始めます。こちらは量がものすごい。単独での特集も頻繁に組まれていて、見たことのない写真がザクザク出てきます。

必見なのが読者投票。「恋人にしたいのは?」「女装が似合うのは?」「お坊ちゃんぽいのは?」などいかにもな質問が並ぶのですが、その顔ぶれから、自担が当時どんなポジションに居たのかが推して知れます。松本さんは「女装が似合う」でV2を達成していました。

五時間の滞在でKindaiの97〜99年は読破しましたが、Myojoは98年の一部と99年の一部を読んだだけです。こちらはまだまだ新しい発見が眠っているはずなので、次回が楽しみです。

 

メンバーとのエピソード

後期にファンになった人間としては、一番知りたいのがメンバーとの絡みエピソード。私は特に松本さんと櫻井さんの絡みが好きなので、インターネット情報「Jr.時代すごく仲が良かった」を裏付けるエピソードを探しました。一緒に遊んだ、最近よくつるんでいる、という発言が出てくる時期が特定できたのはかなり大きな収穫でした。研究者たるもの時代考証はしっかりとさせておきたいものです。

そして相葉さん・二宮さんの"総武線コンビ "の特集の多さにも驚きました。噂には聞いていたけどこれほどまでとは。

いつの時代も仲良しエピソードの需要は変わらないのか、「最近の仲良しJr.」についてのインタビューは頻発します。ぜひノートを持って行き、エピソードを時系列に並べてみてください。

 

一か月以内に行ってほしい

結局、五時間で読破できたのはデビュー前のKindaiと一部のMyojoだけでした。もう明日にでも再訪したいくらいなのですが、あいにく仕事です。日曜日は休館のため、近くに住んでいても、平日に仕事をしている人は土曜日を利用するしかなさそうですね。つまりそんなに頻繁には行けないということです。だから、思い立ったらすぐに行ってほしい。行って損はしません、絶対に。

特に夏休み中の大学生の方には、平日が自由に使えるこの期間にぜひ行ってみてほしいです。

 

15年分をまるごと見逃している私ですが、97〜99年の一部雑誌を読んだだけでこんなにも満足することができました。まだまだ先は長いですが、それだけ楽しみが残っているということでもありますし、読み終わる頃には最初に読んだものの記憶も薄れていそうなのでエンドレスに楽しめる予感さえします。

また近いうちにノートとペンを持って訪問しようと思います。同志の皆さん、検索結果の「貸出し中」でお会いしましょう。

 

*1:納本制度国立国会図書館法に定められている。出版者へは対価が支払われるそうですが、小売価格の五割+送料(一冊分)です。多少のお金は入ってしまうようですが、利益にはなっていないはず